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2020.11.22

対談【日立製作所×日立ソリューションズ】
Lumadaで新たな価値創出をともに

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日立グループが数年前から積極的に推進している、デジタルイノベーションを加速する取り組み「Lumada」。社会的にDXへの関心が高まる中、新たな価値創出の仕組みとして注目されている。日立製作所のLumadaのサービスプラットフォームの運営に携わる高木氏と、日立ソリューションズのデジタルソリューション推進センタ部長の柚山氏に、Lumadaのサービス内容から協創事例、さらに今後のビジョンまで語ってもらった。

  • 高木 順一朗 / Takagi Junichiro

    日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部
    アプリケーションクラウドサービス事業部 アプリケーションサービス第1本部 本部長

    Lumada発足以来、クラウド上でお客さまのDXを加速するさまざまなLumadaソリューションと、その基盤となるサービスプラットフォームの事業運営に携わる。

  • 柚山 知之 / Yuyama Tomoyuki

    日立ソリューションズ デジタルソリューション推進センタ 部長

    日立グループの中でもITを担う中心的な企業として、日立ソリューションズでのLumadaの牽引・推進を担当。お客さまのDX実現に向け、協創のためのプラットフォームなどの仕組み作りや、お客さまとの協創活動の推進に取り組んでいる。

DXで社会課題の解決やQOL向上に挑む「Lumada」

ー「Lumada」とは、どのような取り組みなのでしょうか。

高木:「Lumada」はデジタルイノベーションを加速していこうとする日立グループ全体の取り組みです。先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称で、お客さまやパートナーさまとの協創を通じて、社会課題の解決や人々のQOL(Quality of Life)向上の実現をめざしています。

柚山:Lumadaは「Illuminate Data」、つまり「データを輝かせて価値に変えていく」という意味を持っています。あらゆるデータを活用し、ITによってカタチにし、お客さまとともにDXを推進していくもので、これまで日立グループ内ですでに1,000以上のユースケースを積み重ねてきました。

高木:それらのユースケースで活用されているソリューションや部材を、再利用可能な形で蓄積し、マルチクラウド上で迅速かつ効率的にサービスデリバリーできるようにしたプラットフォーム「Lumada Solution Hub(以下、LSH)」があります。日立グループのみならずパートナー企業さまの知見やソリューションも活用できる、オープンなコラボレーション基盤として発展していきます。

ーLumadaの独自性や強みはどのような点にありますか。

高木:まず1つは日立が創業以来、脈々と受け継いできた技術や知見を活かせることです。日立が得意とするエネルギー・インダストリー・モビリティー・ライフといった各種社会インフラの制御技術にITのデジタル技術を融合した社会イノベーションのユースケースやソリューションが豊富にあるので、そのノウハウを再利用できるのは大きな強みだと思っています。2つめは協創によるシナジーを活かせることです。日立グループの中でもさまざまな企業や事業体があり、さらに、お客さまやパートナーさまとの協創によって、業界を跨る大規模かつ複雑なシステムやサービスの構築が可能です。

柚山:私たち日立ソリューションズは、日立グループの中でもアプリケーション開発を得意としている企業です。これまで培ってきたパートナー各社さまとの協業関係や、10年以上取り組んでいる海外ベンチャーの商材の活用などの強みを活かしながら、フットワーク軽く、素早い動きでお客さまのDXの推進に貢献できるのが、日立ソリューションズならではの役割であり、Lumadaの強みの1つとなる、と考えています。

高木:日立ソリューションズさんはデジタルの領域でお客さまのニーズに迅速に応えていくという意味で、日立の中でも特に先進的な企業だと思っています。お客さまに寄り添い、お客さまの課題を迅速に解決し、新たな価値創出に貢献していく、そのアイデンティティが最大の強みといえるでしょうね。

「Lumadaアライアンスプログラム」で、DXや協創を加速させる

ー「Lumadaアライアンスプログラム」とは、どのような取り組みでしょうか。

高木:業界を越えた多様なパートナーさまと相互に連携するためのパートナープログラムで、Lumadaのビジョンである社会課題の解決や人々のQOL向上を一緒に実現することを目的としています。その中で、お互いのDXのノウハウ・アイデア・技術を持ちより、新しい価値やイノベーションを創出し、それらを循環させて、ともに成長していく事業モデルを考えていきます。

柚山:Lumadaにおいては、「DXはできるところから迅速に進めよう」という考え方が取り入れられていますよね。IT業界としてもアジャイル的というかリーンスタートアップ的な開発スタイルが求められていて、お客さまとともにニーズを探りながらフットワーク軽く柔軟にサービスを作っていくことが重要です。「Lumadaアライアンスプログラム」を通じて多くのパートナーさまに参画していただき、さまざまな知見が組み合わさり、その蓄積で今後ますます発展していくだろうと大いに期待しています。

ーアライアンスの一例を教えてください。

高木:たとえば、先日(*1) 発表したPTC社との協創があります。起点となったのは、お客さまの工場に関するIoTの取り組みを推進していた時のことです。現場データの分析や可視化から、部品の設計に関する課題があがりました。いわゆるエンジニアリングチェーンの領域ですが、私たちはその分野について必ずしも強くありません。そこで、その領域においてグローバルに展開されているPTC社さまとの協創が始まりました。PTC社さま側としても、サプライチェーンに関する課題をお持ちだったようで、そこは日立グループが強い技術を持っているところです。詳細は、ニュースリリース(*2)の内容を参照いただきたいのですが、両社のシナジーで主に製造業のお客さまのDXを加速する新たな価値を両社でご提案できるようになりました。

柚山:1社ではとても解決できない社会課題が増えてきている中、社会課題を持ち込むプレーヤー、その課題に対して、それぞれ保有している技術やノウハウで解決に取り組むプレーヤーなどが集まって、エコシステムとして新しい価値創出を実現する、という「Lumadaアライアンスプログラム」の考え方には、とても共感しています。今後は、「Lumadaアライアンスプログラム」によってあらゆる分野でパートナーさまとの協創事例が増えていくでしょうね。その際に、日立ソリューションズもDXの先進技術を持ちより貢献していきたいと思います。

新たな価値を生みだし、社会や人々から求められる企業に。

ーコロナ禍においてどのようなニーズや変化があったと感じますか。

高木:働く環境は大きく変わったといえますよね。ある意味、リモートが当たり前になりました。オフィスワーカーだけでなく、オンサイトで働かなければならない現場の人たちも、デジタル技術を駆使して働き方を変えていくようになるでしょう。そういった意味で、ニューノーマル時代に即した新たなHRTechのソリューションに注目しています。

柚山:そうですね、もっといえば社会全体の価値観も大きく変わっていくと感じています。あらゆるものの本質的な価値が問われるようになり、その上で生き残るものが本物の価値を持っているのかなと。私たちとしても、そのような価値を創れる企業でありたいと思っていますし、Lumadaにはその可能性を大きく感じています。

高木:おっしゃる通りです。これからどんどんリアルからネットへ移行していく流れになり、データは蓄積されやすくなり、今後ますますLumadaのポテンシャルが発揮されていくでしょう。また、ダーウィンの言葉にこういうものがあります。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」と。これはまさに、DX推進で変化していく企業だけが生き残ることを指していると思いますね。

ー今後のビジョンを教えてください。

柚山:Lumadaによる協創を形にするプレーヤーとして、世の中に価値を提供していきたいです。お客さまのアイデアを実現させるのはもちろん、お客さまとともに新しい価値を創出していくことがSIerとしても求められています。その上で、日立グループの使命である社会イノベーションや社会インフラの領域を実現させていきたいと考えています。

高木:まだまだ日立の社会イノベーション事業の認知度や実績が海外では低いと思っています。お客さまのニーズは海外でも共通する部分が多いはずなので、世界中の人々の社会課題の解決やQOL向上に貢献していきたいですね。たとえば、地球環境にやさしい新しい分散型のエネルギーシステムが世界中で求められている中で、ABB社のパワーグリッド事業を買収した日立が貢献できることは、とても多いと思っています。エネルギーは、全てのインフラにつながっているので、エネルギーを起点に世界中の人々のQoL向上に貢献できるのではないかと思っています。そして社会貢献を果たしながら、世界中の人々が日立グループを「最先端のデジタル技術を活用した地球環境に優しい社会インフラを構築してくれる」「安全・安心、便利・快適・エコで幸せな生活を送れる社会を創ってくれる」と想起してもらえる存在になり、社会から愛される日立であり続けたいと願っています。

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