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2020.10.02

対談【ビジネスエンジニアリング×日立ソリューションズ】
製造業のDXで新たな価値づくりをめざす

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「市場の成熟化」「ポストコロナ」「2025年の崖」など、日本の製造業を取り巻く環境は劇的な変化に直面してきている。そこで必要とされているのが業界全体のDX推進であり、グローバルな競争においても生き残るための変革だ。今回は製造業に特化したシステム「mcframe」を提供しているビジネスエンジニアリング社社長の羽田氏と日立ソリューションズ理事の高橋氏で、製造業のDX推進に関する対談を行った。

  • 羽田 雅一 / Haneda Masakazu

    ビジネスエンジニアリング 取締役社長

    東洋エンジニアリング時代から「mcframe」の企画・開発、営業に携わり、一貫して製造業の自動化、高度化、デジタル化を推進。2015年の常務取締役、2016年の新商品開発本部長、その後もCMO / CTOなどを経て2020年4月より現職。

  • 高橋 明男 / Takahashi Akio

    日立ソリューションズ 理事 デジタルソリューション推進センタ センタ長

    日立での設計開発に始まり、運用管理ソフト「JP1」の海外展開や「日立クラウド」の立上げを推進。現在は日立ソリューションズの社会イノベーション事業の推進を経て、DX推進をはじめ新事業を管掌し企画・推進中。

「2025年の崖」のほか、ピンチをチャンスに変える

ー製造業においては近年、どのような課題がありますか。

羽田:端的にいうとサプライチェーンとエンジニアリングチェーンのデジタル化だと思っています。つまり、原材料や部品の調達から製造して販売するまでの「モノ」を管理する仕組みと、製造プロセスにおいて設計や生産といった「人」が適切につながっていく仕組みです。これらをITなどの力で可視化と分析を行い、最適化していくことが課題だと捉えています。

高橋:なるほど。コロナの影響で変わってきていることもあるのではないでしょうか。

羽田:そうですね、今までと違う形でグローバル化が進んでいくことのほか、コストパフォーマンス至上主義からの脱却もあるように感じます。これまで「コスパ良ければすべて良し」という考え方もあったと思いますが、不測の事態に備えた「効率性・柔軟性・強靭性」といった意味では見直す必要が出てきました。もちろん、コスパは意識しながらデジタル化によって柔軟性や強靭性を担保していかなければ、と考えるようになりました。

ー製造業のデジタル化を推進するにあたってポイントとなることは何でしょうか。

羽田:「市場の成熟化」「"所有"から"利用"のモデルへ」「モノ売りからコト売り」といったビジネスモデルの転換は、業界問わず変わってきたことですよね。製造業もこれらを意識した変化をしていかなければならないと思っています。

高橋:そうですね、それに加えて製造業の特徴としては、ロボットの導入や技能の伝承といったパフォーマンスに関わることや、AR・VR・MRによる作業支援といったことも挙げられると思います。また、製品の提供形態も近年注目されているサブスクリプションモデルに移っていく可能性も高いでしょう。

羽田:「2025年の崖」というキーワードに象徴されるように、抱えている課題は多くあると思っています。しかし、それらはピンチではなく、製造業全体が次のステージに進んでいくためのチャンスだと捉えていくべきですね。

「mcframe」でものづくりデジタライゼーションを加速させる

ー「mcframe」の強みや特徴を教えてください。

羽田:やはり製造業に特化した基幹システムであることですね。先ほどお話ししたサプライチェーンとエンジニアリングチェーンの可視化と分析を効率よく行っていくことができます。日立ソリューションズさんは「mcframe Partner of the year(No.1)」を3年連続で受賞されたように、パートナーとして強力な信頼関係を築かせていただいていると思っています。

高橋:私たちも製造業における知見やノウハウを活かし、弊社の別のソリューションとも組み合わせられることから、お客さまに提供できる価値の幅が広がっているように感じています。そういった意味でmcframeは、柔軟性や対応力があるのも強みですね。

羽田:私たちは近年、「ものづくりデジタライゼーション」という言葉を使っているのですが、mcframeはまさに製造業の未来を切り拓いていくシステムだと考えています。製造業の現場と経営陣がつながり、適切な戦略を立てられるようトータルで支援していきたいですね。

ーmcframeのもう一つの特徴であるコミュニティ活動について教えてください。

羽田:mcframe Users Group (MCUG)と呼ばれる、ユーザ会があり、ユーザ企業と導入支援をしているパートナー企業を含め国内外220社ほどの会員がいます。工場見学や研究会などを通して情報交換する場を設けたり、海外ユーザの拠点を視察してノウハウを共有したり、最近では「若手の会」や「女性の会」などもあり、参加者同士の双方向のコミュニケーションをご活用いただいています。コロナの影響でオンラインでの開催に切り替えましたが、コミュニティの熱気や勢いは衰えることはないです。

高橋:製品に関する要望などをヒアリングして、実際に改善に活かすような取り組みも継続的に行っていますよね。

羽田:そうですね、時にはレベルの高いリクエストもありますが、そのフィードバックを通じてmcframeを強くしてくれたという感覚です。同じようにパートナーさんからも要望をいただくこともあり、試行錯誤をしながら年々、mcframeを鍛えていただいています。

協創を通じて、新たな価値創出をめざす

ーそれぞれが注目している最新の技術やアプローチは何でしょうか。

羽田:ERPにIoTやAI、5Gなどのデジタルの要素をプラスして製造業に機動力をもたらしたいですね。いわゆる生産の垂直立ち上げやトータルリードタイムの短縮など、デジタル化で成果につながるスピード感をつけていきたいです。また、これからさらに加速するなと思っているのは、SaaSモデルやVR技術です。対面でのコミュニケーションや現場で活動ができにくくなっている状況で、お客さまの意識や行動も変わってくると思います。

高橋:我々としてもサブスクリプションビジネスを支援するサービスや製造、保守作業に活用できるAR / VR / MR関連のソリューションのほか、今の時代に合わせたサービス拡張ができるようなラインナップを揃えています。私の個人的な印象ですが、製造業はどことなく「守り」のスタンスになってしまう傾向があるように感じるので、今こそ積極的に「攻め」の施策を打てるようなお手伝いをしていきたいですね。

ー今後のビジョンを教えてください。

羽田:これまでは単純に効率化のためだけにシステムを使っていたかもしれませんが、今後はお客さまの成長や挑戦、変革を支援するためのシステムとしてmcframeを活用してもらえればと思います。お客さまのビジネスモデルを変えるために、お客さまが本当に望んでいる価値を生むために選ばれる基盤やサービスでありたいと願っています。

高橋:日立ソリューションズとしても、単にSIを提供するだけでなく、さらにお客さまとの協創で新たな価値を生み出すパートナーになっていくことですね。時代の変化や市場の新たな動きに合わせたソリューションを提供し、お客さまの持つポテンシャルとデジタル技術をかけ合わせたシナジー効果で、強いサービスや新たな価値の創出を図りたいと考えています。

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