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【TURN CLOUD×日立ソリューションズ】日本のキャッシュレス化に向けた未来 【TURN CLOUD×日立ソリューションズ】日本のキャッシュレス化に向けた未来

【TURN CLOUD×日立ソリューションズ】日本のキャッシュレス化に向けた未来

2019年10月の消費税引き上げとともに施行された「キャッシュレス・消費者還元事業」。それに伴い、日立ソリューションズは「PointInfinity マルチ決済ゲートウェイ(※1)」の推進に注力している。その技術のベースとなっているのは、台湾を中心にアジアでキャッシュレス決済システムを展開するTURN CLOUD TECHNOLOGY SERVICE INC.(以下、TURN CLOUD社)の「O-Link(※2)」だ。今回、台湾と日本のキャッシュレス化の比較、および2社の協業を通じた今後のキャッシュレス社会の展望を、TURN CLOUD社代表ヴィンセント氏とビジネスイノベーション事業部の渡邉が語った。

※1「PointInfinity マルチ決済ゲートウェイ」
共通のインターフェースで、QRコード決済や共通ポイントを「まとめて導入」できるゲートウェイサービス。標準端末「HoyaBox」や加盟店用アプリも提供開始。短期間で複数のQRコード決済導入を実現。
https://www.hitachi-solutions.co.jp/pim/

※2「O-Link」
TURN CLOUD社が開発したキャッシュレス決済システム。台湾国内のほか中国など25施設、8,000店舗での導入実績があり、多様な支払方法の対応だけでなく、業種問わずさまざまなユーザーのニーズを叶えているサービス。
https://tc-olink.turn2cloud.com/product-hoyabox.html
(中国語)


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[ヴィンセント梁 基文]
TURN CLOUD TECHNOLOGY SERVICE INC. 代表取締役社長

小売業の抱える売上強化やコストダウンの課題に加え、オンプレミスで発生する課題を解決すべく2016年3月にTURN CLOUD TECHNOLOGY SERVICE INC.を設立。(本社:台湾台北 / 社員数156名)

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[渡邉 浩史]
日立ソリューションズ ビジネスイノベーション事業部 デジタルソリューション本部 デジタルソリューション第2部 第1グループ グループマネージャ

Webシステム開発や標準フレームワーク開発などを経て、2007年よりモバイル向け映像配信「エリアワンセグソリューション」の新規事業化、PMを経験。2018年より、QRコード決済と共通ポイント導入を実現する新サービス「PointInfinity マルチ決済ゲートウェイ」の事業推進を取り纏めている。



先行する台湾のキャッシュレス社会

-世界的にキャッシュレス化が進むなか、台湾では普及に向けてどのような取り組みを行ってきたのでしょうか?
ヴィンセント:台湾では2015年頃、デジタルペイメント1年目の施策として、政府主導で「台湾ペイ」を立ち上げたのが大きなきっかけの一つだったといえるでしょう。台湾も日本のように現金やクレジットカードが主流でしたが、台湾ペイによって家賃や水道料金が支払えるようになり、通貨の使い方が変わっていきました。加えて、2015年には、中国国内でAlipayやWeChat Payが伸びており、中国からの観光客が多かった台湾でも、Alipayのようなキャッシュレス決済を使いたい要望や問い合わせが増えたのも、台湾でキャッシュレス化が進んだ要因です。

渡邉:国としていち早く取り組んでいるところなど、台湾は先行しているなと感じます。とはいえ、使い始めのハードルが高かったのは、日本と同じだと思います。一度使ってみれば意外と簡単で、これからも使い続けてくれるということもありますよね。そのように、我々としては安心安全なシステムを提供していくことが大前提としてあって、社会全体でキャッシュレス化を推進していくことが大切なのだと思いました。


-台湾では、現在はどのような課題があり、今後どのようなアプローチが有効だと考えらますか?
ヴィンセント:私たちTURN CLOUD社では、より多くの加盟店が利用できるように、PCI DSS(※)のようなインターナショナルなセキュリティ基準を達成し、加盟店の業務サービスシステムと組み合わせて顧客体験をスムーズにできるようにビジネスを展開してきました。台湾で弊社サービスが普及していった理由は、導入のしやすさと安全性が大きかったと思います。これから台湾では、加盟店が自社のe-walletを強化し、QRコード決済を組み合わせる段階に入っていくでしょう。それに伴い、課題の一つは、これまでのシステムのカスタマイズ開発から、プラットフォームの利用へとシフトしていくことです。
もう一つは、消費者の世代ごとのニーズに合わせたキャッシュ決済手段の整備です。たとえば、台湾ではQRコード決済の利用者が、客単価の低い45歳以下に多いというデータがあります。客単価が高くクレジットカードの利用が多い50歳以上を取り込むためには、QRコード決済だけでなく、クレジットカード含めたキャッシュレス決済の推進は避けられないでしょう。

(※)クレジットカード会員の情報保護のための情報セキュリティ基準の1つ


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日本のキャッシュレス化普及における課題は、システムの導入のしやすさと信頼性

-日本のキャッシュレス化推進にあたって、課題や解決策をお聞かせください。
ヴィンセント:日本でのキャッシュレス化の発展には3つのフェーズがあると考えられます。フェーズ1は加盟店における外国人向けキャッシュレス決済の導入、フェーズ2はキャッシュレスを一気に普及させるための政府の取り組み、フェーズ3は新型コロナウイルスの影響による「非接触決済」のニーズを受けた施策です。今はフェーズ2で、消費者のキャッシュレスの習慣を構築している段階といえるでしょう。

渡邉:日本では、現金の信頼性が高く、現金主義が浸透しています。さらに、端末のコスト、手数料が高いため、キャッシュレス決済がなかなか普及してきませんでした。
ヴィンセントさんがおっしゃるように、今はフェーズ2に入って、国内ではキャッシュレス・消費者還元事業が実施され、2020年9月からはマイナポイント還元も予定されています。国をあげた取り組みで、少しずつキャッシュレス導入の課題が解消されつつあると実感しています。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で「非接触決済」の重要性が高まっており、クレジットカードや電子マネーに加えて、スマホで簡単にできるQRコード決済も広まっており、今がまさに過渡期ですね。今後は、安心・安全で高い信頼性、導入のしやすさが、キャッシュレス決済普及の鍵となるように考えています。

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TURN CLOUDと日立ソリューションズの協創で、マーケティングのデジタル化を加速

TURN CLOUD社が日立ソリューションズをパートナーとして選ばれた理由と、今後の展開をどのようにお考えでしょうか?

ヴィンセント:日立ソリューションズとは、台湾でのあるプロジェクトを通じて、お互いの想いがよくわかり、提携を決めました。その想いというのは、日立ソリューションズという社名にある通り、「ソフトウェアでソリューションを作る会社」という点で、私たちのDNAと同じです。台湾の柔軟性に日本の品質を加えることで、良い製品ができると信じています。

台湾ではすでにスマートフォン1台で生活することも不可能ではなくなっていますが、それは国土の大きさが関係しているでしょう。日本は台湾よりも広いため、まずは都市部の取引ボリュームが大きく、かつインバウンド需要も大きいショッピングモールやチェーンストアから普及を進めていきたいですね。

-日立ソリューションズがTURN CLOUD社とパートナー提携する価値はどこにありましたか?

渡邉:日立ソリューションズの「ポイント管理ソリューション PointInfinity)」は主にバックエンド側のシステム開発やサービス提供を得意としていますが、TURN CLOUD社は店舗のPOSや決済端末、スマホアプリなど、フロントエンドの製品のラインナップを揃えていることに強みやノウハウがあります。そこで、両社の強みを組み合わせれば、店舗システムからキャッシュレス決済、ポイント管理、顧客分析、マーケティングオートメーションまで、より大きな付加価値を提供できるのではないかと考えました。また、TURN CLOUD社がマーケットニーズを的確に把握する力、先端技術を取り入れるスピード感もパートナーとしての魅力です。

新常態(ニューノーマル)においては、マーケティングやサービスのデジタル化が加速していきます。ともに築いてきた台湾での新しい取り組みを、日本へ、そして東南アジアへ広めていける可能性を感じています。

※「ポイント管理ソリューション PointInfinity
顧客情報を統合管理し、ポイント取引情報を通じて購買行動を把握し、行動分析した結果からクーポン配信やコミュニケーションツール(メールやSNS)でレコメンド情報を配信するといった一連のデジタルマーケティングの取り組みを支援するシステム。
https://www.hitachi-solutions.co.jp/pointinfinity/


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PointInfintyで実現したい未来と世界観

-グローバル拡販やこれからどのように事業を展開していくかなど、今後のビジョンを教えてください。

ヴィンセント:トランザクションから体験型へ。つまり、従来の小売ビジネスをデジタル改革によって新しいカタチに変化させていくことが弊社の思想です。そのために、日立ソリューションズのPointInfinityが解決策の1つになると考えます。今後はチャネル・顧客・データを活用した取り組みが欠かせません。そこで、オープンAPIとしてさまざまなサービスにつなげていき、将来的に「オープンAPIのプラットフォームといったら日立ソリューションズやTURN CLOUD」といわれるようにしたいですね。その実現のために重視しているのが「ABCDE」です。つまり、「AI」「Block chain」「Cloud」「Data」そして、お客さまの「Experience」。この考え方をもとに、「二ューリテール、ニューライフスタイル」「新しい小売、新しい生活」を作っていきたいですね。

渡邉:マルチ決済ゲートウェイを日本市場で拡大していくこと、そして、TURN CLOUD社のフロント系に強いソリューションと日立ソリューションズのPointInfinityを東南アジア各国に横展開していくことです。

マルチ決済ゲートウェイは、TURN CLOUD社のO-Link QR決済をまとめて導入できる点に加え、日立ソリューションズの豊富なポイントシステム実績を活かしてマルチポイントサービス(複数の共通ポイントをまとめて導入)に対応しており、両者の強みが組み合わさったクラウドサービスとなっています。特に高齢者のお客様の中に「キャッシュレスは悪用されるのでは」「詐欺に遭うのでは」と心配される方がまだまだいらっしゃいます。高齢者でも気軽に利用できるよう、安心安全なシステムをTURN CLOUD社と一緒に提供していきたいと考えています。自動販売機などの無人機にQRコード決済を取り入れたり、日立ソリューションズの指静脈の生体認証を取り入れたり、最終的にはスマートフォンが無くても決済できる簡単な決済手段も構想にあります。お客さまや社会に新しいイノベーションを起こし、新しい価値を提供し、社会貢献していきたいですし、我々のサービスに期待して利用していただきたいですね。