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【空間情報コラム #01】地理情報システム(GIS)は私たちの日常をどう変えたのか 【空間情報コラム #01】地理情報システム(GIS)は私たちの日常をどう変えたのか

【空間情報コラム #01】地理情報システム(GIS)は私たちの日常をどう変えたのか

「地理情報システム(GIS)」は、位置情報(経緯度、住所など)を有するさまざまな情報を地図または図面上に可視化・蓄積し、さまざまな業務や日常において活用するためのシステムを指します。「地理情報システム(GIS)」と聞いて利用シーンが思い浮かぶ方は少ないかもしれませんが、「位置情報や地図を利用した便利ツール」と解釈してみると、わかりやすいのではないでしょうか。カーナビゲーションやGoogle Mapsをはじめとする身近なシステムから、都市計画・社会インフラの設備管理・マーケティングまで幅広く利用されており、私たちの生活に欠かせない存在となっています。

近年、「地理情報システム(GIS)」は、先端技術との組み合わせで、より多方面に活用されるようになってきました。本記事では「空間情報コラム」の第1弾として、地理情報システムの誕生背景と歴史、さらには実際の利用シーンなどをご紹介していきます。


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地理情報システムの誕生背景や目的

まずは地理情報システムの基本的な情報から見ていきましょう。あまり知られていないかもしれませんが、私たちの生活を支えている技術要素の一つであり、国際的にも利用されているシステムなのです。


GISとは何か
GISとは、「Geographic Information System」の略で、日本語では「地理情報システム」と訳されています。GISは、位置情報を含むさまざまな情報(例:顧客情報 / 車両位置情報 / 統計情報など)を地図や図面上で統合的に管理・可視化し、高度な分析や迅速な判断を支援するシステムです。


地理情報システムの誕生背景
1960年頃、世界初の地理情報システムがカナダで開発されました。日本では、1970年代に政府機関などが利用するようになり、1995年の阪神淡路大震災で注目を集めることになります。というのも震災後のライフライン復旧作業において、日本全国の電力やガス、水道などの保守作業員が集結して対応した際に、ライフライン管理が電子化されているエリアとされていないエリアでは復旧スピードが大きく異なったからです。これを機に社会インフラの維持・拡大において地理情報システムが有用であると認識され、公共・社会分野を中心に普及・発展が進みました。


地理情報システムの目的
地理情報システムの活用により、さまざまな情報の関連性を空間的に把握することができ、以下のような効果があると考えられます。
・情報の可視化と共有
・情報の関係性の把握
・情報の結合と分析

たとえば、人口密度の多い地域を地図上で分析してルート営業に最適なエリアを分析したり、新規店舗の出店に最適なエリアを抽出するなど、マーケティング分野にも活かされています。また、可視化されたデータを簡単かつ直感的に共有できるので、さまざまなシーンでの利用が可能です。


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地理情報システムの歴史(誕生する前と後)

地理情報システムが誕生する以前の地理情報とは、紙や羊皮紙に書かれたアナログな地図がすべてでした。大航海時代から18世紀にかけて近代地図学の理論と技術が完成し、20世紀にかけて大量の紙の地図が世の中に普及したといわれています。しかし、紙の地図には情報の改変や地図に記入できる情報に限界があるなど、問題があったのも事実です。そんな中、20世紀に入ってコンピューターマッピングの取り組みが始まり、1990年代に入るとオフィスや大学の研究室でもPCが普及したことで研究開発が加速し、高価であった地理情報コンテンツも安価になることで、専門家以外での利用が拡大していったのです。
現在はコンピューターシステムの高速化、ビッグデータ技術の進化などにより、従来では成しえなかった膨大な量の地図情報を可視化して共有できるようになりました。

地理情報システムの活用事例

これまで地理情報システムの誕生背景や目的など、基本的な知識をご説明してきました。ここからは、地理情報システムを利用してどのようなことができるのかをお伝えしていきます。

利用シーン
電気・ガス・水道などの公益事業では、ライフラインの維持管理や拡張、引越しの際の電気やガスの契約管理、スマートメーターとの連携による高度管理などに地理情報システムが利用されています。ビジネスシーンにおいても、顧客管理や地理的な特性を考慮したマーケティングによる営業戦略策定などにも使われています。
また、災害対策・危機管理の分野においても、東日本大震災以降は民間企業でも地理情報システムの活用が進んでおり、被害状況や避難時の情報を地図上にプロットし情報共有することで、危機管理対策における強力なツールとして期待されています。

身近になった地理情報システム
私たちの生活において、身近で利用機会の多い地理情報システムといえばナビゲーションシステムではないでしょうか。専用機であるカーナビゲーションシステムに始まり、最近では二輪車や歩行者に対応したスマートフォンによるナビゲーションシステムも存在し、活用が広がっています。
また、地理情報の利用を身近なものにしたサービスとして、Google Mapsの登場はインパクトのあるものでした。ナビゲーション機能を始め、Google Mapsが提供する多種多様な地図コンテンツはさまざまな活用がなされ、今後も拡大していくことでしょう。


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まとめ

今回の記事では地理情報システムの歴史や目的、利用シーンなどをご紹介しました。地理情報システムは現在も進化しており、
・3Dセンシング技術
・高精度位置測位技術
・AIの活用によるビッグデータ解析
といった分野で、より高度な応用や解析が可能となっています。次回以降もこのシリーズでは、地理情報からはじまった空間情報に関する「今」をお伝えしていきます。



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